仮想通貨の税金講座 所得税は結局いくらかかる?計算方法の全貌

ぴーたろです^^

今回は、仮想通貨の所得税計算の方法についてまとめていきます。
(会計士という職業柄、会計や税金に関しての知識は一般の方よりも長けていると思うので、分かりやすく解説できるよう頑張りますね♪)

2017年は仮想通貨元年となり、多額の利益を出した人が続出しました(億円以上稼いだ人は「億り人」ともてはやされたりしましたね^^)。

仮想通貨に関する税務上の処理は既に国税庁より公式見解が出ており、どのように所得計算を行い所得税申告する必要があるのかも明確になっています。

今回は、仮想通貨の所得はどのように計算し、いったいいくらの税金がかかるのかマスターしていきましょう^^

CHECK POINT!!過少申告・脱税はNG!

先に申し上げておくと、仮想通貨利益の脱税行為はメリットが一切ありません。

 

実際に利益を過少に申告した場合に追徴課税される金額についても知りたい方は、こちらもどうぞ^^
>>仮想通貨で脱税をしたらどうなるのか?延滞税・重加算税の全貌

 

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仮想通貨の所得は“雑所得”に区分されます

まず、最初に所得税の基本知識から。

私たちの個人の所得は、税務上は10区分に細分化されます。

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 退職所得
  7. 山林所得
  8. 譲渡所得
  9. 一時所得
  10. 雑所得

例えば、サラリーマンや学生のアルバイトの方であれば、会社から貰っているお給料はすべて“給与所得”に区分されますね^^

この所得区分、それぞれ所得の計算方法や所得控除の恩恵を受けられるか否かなどが一つ一つ異なっています。

ここで、仮想通貨の投資で得た利益は、この中の“雑所得”に区分されることが国税庁より発表されています。

「雑」と言われると何か聞こえが悪いですが、その通りです。

この所得区分は、原則的に「他の9つの所得区分に区分できないその他」の所得が放り込まれる区分で、残念ながら所得計算上の優遇は一切ありません

この点では、仮想通貨取引は給料で得られた所得(給与所得控除有り)や株式やFX等の投資で得られた所得(申告分離課税)に比べて、同じ稼ぎでも税金が大きくかかるというデメリットがあることは紛れもない事実であることは認識しておきましょう。

注意!!仮想通貨FXの利益は?
仮想通貨に関連する取引の利益はすべて雑所得です。仮想通貨FX(証拠金取引)、仮想通貨の先物取引等の信用取引にかかる利益も、すべてひっくるめて雑所得扱いになります。

仮想通貨の所得は確定申告が必要なのか?納税義務は?

しかしながらこの仮想通貨の所得、雑所得に区分されたことで地味なメリットが際立ちます

それは、以下の2条件の両方を満たせば確定申告は不要(納税義務はない)というメリットがあるのです^^

  • 年末調整済み
  • 雑所得が20万円未満

この条件が当てはまるのは、1つの会社からお給料をもらっている通常のサラリーマン(アルバイトしている学生さん)の方で、確定申告が不要な方です。

会社からお給料をもらっているサラリーマンの方でも年収が2,000万円を超えますと確定申告が必要ですので、上記の条件は適用できません。

また、仮想通貨利益が20万円以上であればもちろん確定申告が必要ですが、仮想通貨の利益が20万円未満であっても他の雑所得の利益と合計して20万円以上であれば確定申告は必要となりますので注意してください^^

つまりは、

「年収500万円のサラリーマンで、今年の仮想通貨の利益は15万円のみだった・・・」

このようなケースの方であれば、今年は確定申告をしなくても後々問題になることはありませんのでご安心ください♪

注意!!この場合でも住民税の申告は必要です!

 

たまに勘違いをされている方がいらっしゃいますが、上記の20万円ルールはあくまで「所得税」の計算上設けられているルールです。

 

所得税と同じように、所得の金額に応じて税額が変わる税金として「住民税」がありますが、こちらにはこの20万円ルールはありません。

 

そのため、上記の条件を満たす場合も、住民税の申告は行わないと脱税行為になりますので注意してください。

 

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仮想通貨の「利益」の定義は?

では、もう少し踏み込んで考えてみましょう。

そもそも税金計算上の仮想通貨の利益とは何を指しているのでしょうか?

結論から申し上げると、以下の3つは仮想通貨の利益とみなされます。

  • 仮想通貨を購入して、売却したことによる利益(仮想通貨の売買益)
  • 仮想通貨を購入して、仮想通貨で買い物をしたときの値上がり益
  • 仮想通貨を購入して、他の仮想通貨に買い替えた時点の値上がり益

それぞれ、内容を確認しておきます。

仮想通貨の利益1:仮想通貨を購入して、売却したことによる利益(仮想通貨の売買益)

まず、一番分かりやすいのが仮想通貨の売買益です。

例えば、以下の取引を行ったとします。

  • 6月1日:Aコイン1枚を5万円で購入
  • 10月4日:Aコイン1枚を20万円で売却

この場合は、20万円-5万円=15万円が仮想通貨の利益となります。

仮想通貨は1枚単位で取引をしなければならない訳ではありません。

上記例で、10月4日の売却を0.5枚分行っただけであれば・・・

20万円×0.5枚-5万円×0.5枚=7.5万円が利益。

残りのAコイン0.5枚分は、来年以降に売却した時に利益になります。

仮想通貨の利益2:仮想通貨を購入して、仮想通貨で買い物をしたときの値上がり益

次に利益になることが明確化されているのは、仮想通貨で買い物をしたときです。

現在、日本国内でも仮想通貨(特にビットコイン)で決済をできる店舗が増えています。

ビットコイン以外にも、BCH、NEMそしてMONAコインでも決済対応をしている店舗が続々と増えていますよね^^

ここで、このような仮想通貨で買い物やサービス提供を受けたときに、その支払い時点で提供を受けた商品価格・サービスの価格と当初の仮想通通貨の取得価格に差が合った場合に、その金額が利益として課税されます。

例えば、以下の取引を行ったとします。

  • 6月1日:Aコイン1枚を5万円で購入
  • 10月4日:Aコイン1枚で20万円のソファーを購入

この場合は、20万円-5万円=15万円が仮想通貨の利益となります。

注意!!※なお、平成29年4月のタックスアンサーでは、購入通貨が“ビットコイン”に限定されているような書き方になっていましたが、同年12月のFAQで対象は“仮想通貨”である記載に改められています。

ビットコイン 買い物 税金

当然ながらビットコイン以外の仮想通貨を使った買い物でも課税が行われますので注意してください。

仮想通貨の利益3:仮想通貨を購入して、他の仮想通貨に買い替えた時点の値上がり益

国税の発表が公表されたとき、最も驚きが大きかったのは、仮想通貨同士の交換時点の利益です。

例えば、以下の取引を行った例を考えましょう。

  • 6月1日:Aコイン1枚を5万円で購入
  • 10月4日:Aコイン1枚で20万円相当のBコインを購入
  • 12月31日:Bコインを保有中

上記の例だと、10月4日のコインを交換した時点で、20万円-5万円=15万円が仮想通貨の利益となります。

仮想通貨取引になれてくると、海外の仮想通貨取引所でBTC建てで様々なアルトコインを購入する機会も出てきます。

この場合、アルトコイン購入時点でBTCに含み益部分が課税対象となる点に留意が必要です。

仮想通貨の利益で注意したいのは、仮想通貨での買い物と仮想通貨の交換の利益

仮想通貨の税金を考える上で注意をしておきたいのは手元のキャッシュの有無です。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、上記で解説した3種類の税金について、自分の手元にお金が残っているのは1の売買益の利益だけという点に注意が必要です。

2については、仮想通貨で買い物をした分だけ現金の出費が減っているから実質的に手元にキャッシュが残っていると感じるかもしれませんが、このお買い物で自分の預貯金に見合わないあまりにも高い買い物をしてしまうと、一発で首が回らなくなります。

利益が出たからと言って仮想通貨で高級車を買ったりしてしまうと、手元にはお金は残らず、高級車と多額の税金の支払いが残りますので注意してください。

さらに3については、もはや手元資金は一切増えていないのに税金だけを払う必要があります。

これで課税されるのは結構しんどいですよね^^;

仮想通貨は投資は利益が大きい分、それに伴って支払う税金も考慮しておくことはとても大切です。

以上を踏まえると、税金の支払いの面だけを考慮したオススメの仮想通貨の投資スタイルは以下の2つでしょう。

  • 仮想通貨を買ったらガチホ
  • 目標利益までホールドできたら、黙ってフィアット(円)で利確

税金だけを考えてトレードするのも本末転倒な気がしますが、大きく利益が出やすい仮想通貨だからこそ、認識しておきたいポイントです。

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結局、仮想通貨にかかる税金はいくらなのか?適用される税率は?

では、結局のところ仮想通貨の利益にかかる税金はいくらなのでしょうか?

たまに「仮想通貨は雑所得だから、半分くらいが税金」と耳にしますが、これは間違った認識です。

まず、所得税の税率表を見てみましょう。

所得税は累進課税と言って、所得が高い余裕のある人ほど税率を高くして税金を負担してもらおうという仕組みになっているのが分かります(MAX45%です)^^

ここでは分かりやすく、給与所得のみを得ている一般的なサラリーマンの方をモデルケースにしてみますね^^

冒頭で雑所得には税制上の優遇がないと書きましたが、給与所得には給与所得控除という税務上の優遇措置があります。

給与所得から、給与所得控除、社会保険料控除や基礎控除などを差し引いた所得の金額が500万円だったとしましょう。

この場合、仮想通貨の雑所得が150万円だった場合、合計の所得金額は650万円(500万円+150万円)となりますので、上記の表では330万円~695万円の20%の税率が適用されることになります。

つまり、支払う税金の金額は650万円×20%=130万円です(実際は、ここから税額控除の金額を引いた残りが所得税の金額です)。

仮想通貨の雑所得150万円相当にかかった税金は150万円×20%=30万円という事になります。

つまり、仮想通貨にかかる税金はあくまでそのほかの所得と合算した暦年所得次第であるという事がお分かりいただけるのではないのでしょうか^^

もちろん、仮想通貨の雑所得だけで4,000万円超の利益を出してしまうと否応なしに45%の税率がかかることになりますが、そもそも給与所得と仮想通貨の雑所得の合計が小さい場合は、適用される税率も低くなりますので正しい認識を持っておきましょう。

仮想通貨の税金の補論

以上が、仮想通貨の所得税計算上最低限必要になる知識です。

ここからは、少し細かい内容になってきますが、実際の所得計算上悩む点も多いかと思いますので、気になるポイントだけでもチェックするようにしてください^^

同一仮想通貨を追加購入した場合の取得価格

同じ仮想通貨を年内に2回以上に渡って購入した場合の取得価格については、原則的に移動平均法を採用します。

しかしながら継続適用を要件に、総平均法もOKとなっています。

個人的には、計算が簡易な総平均法で計算するのがオススメです。

相場が上がり基調であれば、(その利益は繰り延べられるだけではありますが)申告する利益も抑えられる可能性もあります。

念のため、両社の計算方法を確認しておきます。

<例>

  • 6月1日:Aコイン1枚を5万円で購入
  • 10月4日:Aコイン1枚で20万円で追加購入
  • 11月30日:Aコイン1枚を35万円で売却
  • 12月15日:Aコイン1枚を41万円で追加購入

移動平均法の計算方法

移動平均法では、仮想通貨の売却時点の平均購入単価を算出します。

売却時点11月30日の平均購入単価=(5+20)÷2=12.5万円

利益:35万円-12.5万円=22.5万円

総平均法の計算方法

総平均法では、年間の仮想通貨の平均購入単価を通算します。

年間の平均購入単価=(5+20+41)÷3=22万円

利益:35万円-22万円=13万円

仮想通貨のハードフォーク(分裂)により得たコインの所得計算

仮想通貨は、ハードフォークという分裂により、分裂前の仮想通貨を保有する人に新しいコインが付与されることがあります。

有名なハードフォークにはビットコインキャッシュ(BCH)がありましたね^^

BCHは、2017年8月1日時点にビットコインを持っていた人に対していわば無料で付与されたハードフォークコインでした。

このような仮想通貨の分裂は今後も繰り返されることが予想されていますが、これらの分裂コインが付与されたタイミングでは課税関係は生じないことが決まっています。

分裂コインに対して課税がされるのは、先ほど説明した3つのパターンで分裂コインを利用した場合です。

その際、取得価格は0円として計算されるため、その全額が利益として課税される点には注意しましょう。

例えば、以下の取引を行った例を考えましょう。

  • 8月1日:Aコインから分裂したABCコインを1枚付与される
  • 10月4日:ABCコインを1枚5万円で売却

この場合、5万円-0円=5万円が所得計算上の利益とみなされます。

仮想通貨の雑所得は損益通算が可能か?

所得税の計算上、ある所得で出た損失を他の所得の利益と相殺できる“損益通算”という制度があります。

例えば、冒頭で述べた譲渡所得で100万円の損失を出してしまった時、その年の給与所得が500万円であれば・・・

500万円-100万円=400万円

に対して、所得税が課税されるという制度です。

しかしながらこの損益通算、損失が出た時に相殺可能な所得は、以下の4つに限られています。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得

(富士山頂・・・会計士や税理士勉強してる人なら懐かしい響きですよねw)

そう、この所得の中には仮想通貨の所得である“雑所得”が含まれていません

つまり、雑所得で出た損失は、他の所得と相殺することはできません(´;ω;`)ウゥゥ

ただし、他の区分の所得とは通算できないものの、雑所得の範囲内であれば損失を相殺することは可能なのでお忘れなく!

ココは認識を間違えると損をしますので、注意です!

<例1>

  • 6月1日:Aコイン1枚を50万円で購入
  • 10月4日:Aコイン1枚で10万円で売却
  • 11月30日:Bコイン1枚を20万円で購入
  • 12月31日:Bコイン1枚を80万円で売却

Aコインの利益:10万円-50万円=▲40万円

Bコインの利益:80万円-20万円=60万円

この年の雑所得:60万円-40万円=20万円

<例2>

  • 6月1日:Aコイン1枚を50万円で購入
  • 10月4日:Aコイン1枚で10万円で売却
  • 11月30日:Bコイン1枚を20万円で購入
  • 12月31日:Bコイン1枚を30万円で売却

Aコインの利益:10万円-50万円=▲40万円

Bコインの利益:30万円-20万円=10万円

この年の雑所得:10万円-40万円=▲30万円⇒0万円(※30万円の損失は、他の所得と相殺不可)

このことから、仮想通貨投資は利益には青天井に税金がかかりますが、損失は相殺できない可能性があるという、投資家にとっては不利な税制になっていると分かります

マイニング(採掘)により発生した利益

仮想通貨のマイニングにより発生した利益についても、雑所得として申告が必要になります。

この場合、マイニングにより得られた時点の時価を持って、仮想通貨を評価し、そこからマイニングにかかった費用を差し引きます。

  • 1月1日:Aコインのマイニング開始(月額1万円のクラウドマイニングに参加)
  • 6月30日:Aコイン1枚が付与(時価8万円)※1/1~6/30の採掘結果
  • 12月31日:Aコイン1枚が付与(時価20万円)※7/1~12/31の採掘結果

この年の雑所得:20万円+8万円-1万円×12ヵ月=16万円

マイニングによる所得についても、手元にキャッシュがないにも関わらず税金がかかってしまう特徴がありますので注意が必要です。

まとめ

以上、仮想通貨の所得税計算のポイントでした^^

仮想通貨の所得計算上の処理方法の方針は、まだ発表されて間もない内容です。

今後、仮想通貨絡みで新しい論点が出てきたら、こちらのページに追記をしていきますのでご安心ください^^

また、実際に大きめの利益が出て不安と言う方は、まずは税金のプロフェッショナルの税理士さんに直接相談をするのが一番です。

無料相談もできるサービスも多いので、活用してみてください^^
>>税理士ドットコム

また、相談まではいいけれど、確定申告の方法が分からないのでプロにお願いをしたいという方は、複数の税理士に一括で確定申告費用の見積もりができるサービスも使ってみると良いと思います。
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それではー♪

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